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中尾憲太郎(NUMBER GIRL)の使用ベースと音作り|プレシジョンベースとシグネチャー・プリアンプ「Scrolls」を図で解説【SPIRAL CHORD・Crypt City】

更新日:2026-10-15 文:SILVER WOLF GUITARS 森 将大

※この記事にはプロモーション(サウンドハウスへの広告リンク)が含まれます。

先に結論
  • 中尾憲太郎は、NUMBER GIRL(ナンバーガール)のベーシスト。1995年に福岡で結成されたNUMBER GIRLで、2002年の解散まで、そして2019〜2022年の再結成でもベースを弾きました。解散のあとはSPIRAL CHORD、Crypt City、勃殺戒洞などで活動しています。
  • いまのベースはプレシジョンベース(型)。ジャズベースは好まないと紹介され、NUMBER GIRLの後期にはモズライトのベンチャーズ・モデルも使っていました。2026年5月16日には、EarthQuaker Devicesからシグネチャーのベース用プリアンプ「Scrolls(スクロールス)」ベースオデッセイが出ています。ベースのメーカーや年式まで分かる公式の機材リストは見つかりませんでした。
  • 当店にはいまプレシジョンベース型の在庫がないため、写真の代わりに図で、機材の移り変わり、Scrollsのしくみ、中古で見るところ、代わりの機材をまとめました。買取も受け付けています。

NUMBER GIRL(ナンバーガール)のベーシスト、中尾憲太郎。

向井秀徳の歌とギター、田渕ひさ子のギター、アヒト・イナザワのドラム。2本のギターが鳴り続ける音の下で、低い音を受け持っていたのが中尾憲太郎です。解散のあともいくつものバンドで弾き、2026年には自分の名前の付いたエフェクターも出しました。

この記事では、中古ギター店を営んでいる私が、中尾憲太郎とNUMBER GIRLの歩み、本人のベースと機材、プレシジョンベースの音をいまそろえる方法を、映像と自作の図でまとめました。プレシジョンベース型の在庫がいまないため、写真は載せていません。

この記事で分かること
  • 中尾憲太郎がどんなベーシストか(年表・エピソードつき)
  • NUMBER GIRLの映像と、中尾憲太郎のベースが聴ける名曲10選
  • 解散のあとのバンド(SPIRAL CHORD・Crypt Cityなど)
  • 本人のベースと機材、シグネチャーのプリアンプ「Scrolls」のしくみ
  • プレシジョンベースのしくみと、中古で見るところ7つ
  • いま新品でそろえる「中尾憲太郎っぽい音」
森
この記事を書いた人:森
中古エレキギター・ベースを整備して販売しているシルバーウルフの店主(古物商)。ネックや弦高を調整してから送り出しています。この記事を書いている今、プレシジョンベース型のベースは店にありません。

中尾憲太郎ってどんな人?

名前中尾憲太郎(なかお けんたろう)
担当ベース(NUMBER GIRL、1995〜2002年・2019〜2022年)
NUMBER GIRLでの名義名前のあとに年齢を付けた「中尾憲太郎○歳」
解散のあとの活動SPIRAL CHORD(2004年に加入)、Crypt City、勃殺戒洞、ART-SCHOOLのサポート、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS など
主なベースプレシジョンベース(型)。NUMBER GIRLの後期はモズライトのベンチャーズ・モデル
シグネチャーEarthQuaker Devices「Scrolls」ベースオデッセイ(2026年5月16日発売のベース用プリアンプ)

NUMBER GIRLは、1995年8月に福岡で結成された4人組のロックバンドです。メンバーは向井秀徳(ボーカル・ギター)、田渕ひさ子(ギター)、中尾憲太郎(ベース)、アヒト・イナザワ(ドラム)。1999年5月、シングル「透明少女」で東芝EMIからメジャーデビューしました。

2002年11月30日、札幌でのライブを最後に解散。17年たった2019年2月15日に再結成を発表し、2022年12月11日、横浜のぴあアリーナMMでの『NUMBER GIRL 無常の日』で、ふたたび解散しました。解散していたあいだも、中尾憲太郎はSPIRAL CHORDなどでベースを弾き続けています。

中尾憲太郎 年表 19958月、福岡でNUMBER GIRL結成 1997インディーズで1枚目のアルバム 19995月、「透明少女」でメジャーへ 2000アルバム『SAPPUKEI』 20024月『NUM-HEAVYMETALLIC』 200211月30日、札幌のライブで解散 20041月、SPIRAL CHORDに加わる 20192月15日、再結成を発表 202212月11日「無常の日」で解散 20265月16日「Scrolls」が出る

歩みが分かるエピソード8つ

資料で確かめられた話から集めました。

  1. 「中尾憲太郎○歳」という名前
    NUMBER GIRLのころ、中尾憲太郎は、名前のあとに年齢を付けた「中尾憲太郎○歳」という名義で活動していました。
  2. 1995年、福岡で4人がそろう
    NUMBER GIRLの結成は1995年8月、福岡。向井秀徳、田渕ひさ子、中尾憲太郎、アヒト・イナザワの4人でした。1997年には、インディーズで1枚目のアルバム『SCHOOL GIRL BYE BYE』を出しています。
  3. 1999年、「透明少女」でメジャーへ
    1999年5月、東芝EMIからシングル「透明少女」でメジャーデビュー。同じ年の7月23日に、メジャーで1枚目のアルバム『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』を出しました。
  4. アメリカのプロデューサーと組む
    2枚目のシングル「DESTRUCTION BABY」からは、ウィーザーやフレーミング・リップスの仕事で知られるデイヴ・フリッドマンがプロデューサーに。2000年の『SAPPUKEI』、2002年の『NUM-HEAVYMETALLIC』も、彼のプロデュースです。
  5. 2002年11月30日、札幌で最後のライブ
    2002年11月30日、札幌でのライブを最後に、NUMBER GIRLは解散します。この日の演奏は、ライブ盤『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』に収められました。メジャーデビューから、3年半ほどの活動でした。
  6. 2004年、SPIRAL CHORDに加わる
    SPIRAL CHORDは、元COWPERSのゲンドウと、200MPHのHERAを中心に、2003年に生まれたバンドです。2004年1月、中尾憲太郎がベースで加わり、ゲンドウ(ボーカル・ギター)、HERA(ドラム)との3人組になりました。
  7. 2019年の再結成と「昔のモズライト」
    2019年2月15日、NUMBER GIRLは再結成を発表します。2019年7月27日の新宿LOFTのライブを伝えたrockinon.comの記事には、最近はもっぱらプレシジョンベースの中尾憲太郎が、この日は昔のモズライトを持ってきた、と書かれています。
  8. 2026年、自分の名前のエフェクター
    2026年5月16日、アメリカのEarthQuaker Devices(アースクエイカー・デバイセス)から、中尾憲太郎のシグネチャーモデル、ベース用プリアンプ「Scrolls」ベースオデッセイが出ました。構想は2017年から。2024年に開発が本格的に動き出したと紹介されています。

映像で見るNUMBER GIRL

同じ「透明少女」を、1999年と2022年で聴きくらべられるように並べました。

まずはデビュー曲「透明少女」。

NUMBER GIRL「透明少女」

聴き方のコツ:ギターが2本のバンドなので、ベースはうもれがちです。イヤホンかヘッドホンで、低いところで鳴っている音だけを追いかけてみてください。

ライブ盤やベスト盤の題名にもなった「OMOIDE IN MY HEAD」。題名に『THE MATSURI SESSION』と付いた映像です。

NUMBER GIRL「OMOIDE IN MY HEAD」(『THE MATSURI SESSION』より)

最後は2022年12月11日、ぴあアリーナMMでの『NUMBER GIRL 無常の日』から「透明少女」。最初に見たデビュー曲のミュージックビデオと、23年あとの音を聴きくらべてみてください。

NUMBER GIRL「透明少女」(『NUMBER GIRL 無常の日』2022年12月11日・ぴあアリーナMM)

中尾憲太郎のベースが聴ける名曲10選

中尾憲太郎がベースを弾いた、NUMBER GIRLの曲から10曲。作詞・作曲のクレジットは、今回の調べで曲ごとに確かめられなかったため、書いていません。

1透明少女
1999年5月/メジャー1枚目のシングル/『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』8曲目

メジャーデビュー曲。中尾憲太郎のベースを最初に聴くならこの曲です。

2タッチ
1999年7月23日/『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』1曲目

メジャーで1枚目のアルバムの、いちばん最初の曲です。

3桜のダンス
1999年7月23日/『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』5曲目

2分29秒の短い曲です。

4転校生
1999年7月23日/『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』9曲目

5分を超える、アルバムの中では長めの曲です。

5DESTRUCTION BABY
1999年/メジャー2枚目のシングル

デイヴ・フリッドマンが関わるようになった、最初のシングルです。

6URBAN GUITAR SAYONARA
2000年7月19日/『SAPPUKEI』収録

デイヴ・フリッドマンと作った、3枚目のアルバムから。

7TATTOOあり
2000年7月19日/『SAPPUKEI』収録

同じく『SAPPUKEI』から。全11曲のアルバムです。

8鉄風 鋭くなって
ライブで何度も演奏された曲

2001年のFUJI ROCK FESTIVAL、2002年のROCK IN JAPAN FESTIVAL、2002年11月30日の札幌の最後のライブと、演奏の映像が多く残っています。

9NUM-AMI-DABUTZ
2002年/『NUM-HEAVYMETALLIC』の前に出たシングル

最後のスタジオ・アルバム『NUM-HEAVYMETALLIC』につながる曲です。

10OMOIDE IN MY HEAD
ライブ盤・ベスト盤の題名にもなった曲

映像は上の『THE MATSURI SESSION』でどうぞ。

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NUMBER GIRLの中のベース

NUMBER GIRLは、ギターが2本のバンドです。向井秀徳が歌いながらギターを弾き、田渕ひさ子がもう1本のギターを弾きます。高い音はギター2本が埋め、低い音を受け持つのはベース1本だけ。2本のギターに負けない太さが、この編成のベースには要ります。

アルバム発売ひとこと
SCHOOL GIRL BYE BYE1997年インディーズでの1枚目
SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT1999年7月23日メジャー1枚目。「透明少女」入り
SAPPUKEI2000年7月19日デイヴ・フリッドマンのプロデュース。全11曲
NUM-HEAVYMETALLIC2002年4月最後のスタジオ・アルバム
サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態(ライブ盤)2002年11月30日、札幌での最後のライブ

2019〜2022年、再結成から「無常の日」まで

2019年2月15日、NUMBER GIRLは再結成を発表しました。メンバーは、結成のときと同じ4人です。

2022年には、その年のうちに解散することを発表。12月11日、横浜のぴあアリーナMMでの『NUMBER GIRL 無常の日』を最後に、ふたたび解散しました。この日の「透明少女」は、上の映像で見られます。

解散のあとのバンド

中尾憲太郎が弾いてきたバンドのうち、資料で確かめられたものを図にまとめます。

中尾憲太郎が弾いてきたバンド 中尾憲太郎(ベース) NUMBER GIRL1995〜2002年・2019〜2022年 SPIRAL CHORD2004年1月に加入。ゲンドウ・HERAと3人組 浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSベースを担当(2021年春に次の人へ交代) ART-SCHOOLサポートのベース Crypt Cityいまの活動として紹介されるバンド 勃殺戒洞いまの活動として紹介されるバンド ※資料で確かめられたものだけ。上から年の順ではありません ※プロデュースなどの仕事は省いています

SPIRAL CHORDは、90年代のオルタナティブ・ロックを引っぱってきた3人がそろったバンドと紹介されています。

浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSは、浅井健一(ボーカル・ギター)のバンド。ベース・マガジンの2020年の記事に、中尾憲太郎がこのバンドで弾いていることが書かれています。2021年春からは2代目のベーシストに替わりました。

Crypt Cityと勃殺戒洞は、音楽ニュースの記事などで、いまの活動として名前が挙がるバンドです。ギター2本の4人組でも、3人組でも、ベースの太さで曲を支えるのが中尾憲太郎の居場所です。

SPIRAL CHORDのCD 浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのCD

中尾憲太郎のベースの特徴3つ

① プレシジョンベース派

フェンダーのサイトの対談「B×B」では、ジャズベースを使うSCOOBIE DOのナガイケジョーと、プレシジョンベースを使う中尾憲太郎が向き合いました。中尾憲太郎は、プレシジョンのほうがバンドの音のまとまり(一体感)を生みやすい、と話しています。

Wikipediaには、「アタックが強すぎて音にならない」という理由で、ジャズベースは好まないと書かれています。音の立ち上がりより、バンドに溶ける太さを取る人だと言えます。

② 時期ごとにベースを持ち替えてきた

NUMBER GIRLのころは、ベースを何度か持ち替えたと紹介されています。後期に使っていたのが、モズライトのベンチャーズ・モデル。2019年の再結成のころは「最近はもっぱらプレシジョンベース」と書かれながら、新宿LOFTには昔のモズライトを持ってきています。

③ 足元の音作りにこだわる

中尾憲太郎の足元(エフェクターを並べたボード)は、デジマート・マガジン(2016年)、ベース・マガジン(2020年)、SPICEの連載「人の足下見やがって」など、何度も取り上げられてきました。その経験から生まれたのが「Scrolls」です。

指で弾く?ピックで弾く?今回の調べでは、はっきり確かめられませんでした。コピーするときは、映像で右手を確かめてください。

本人のベースと機材

メーカーや年式まで分かる公式の機材リストは見つかりませんでした。2つ以上の資料で確かめられたことだけを書きます。

項目分かっていること
いまのベースプレシジョンベース(型)。フェンダーのサイトの対談、2019年のライブレポート
メーカー・年式確かめられませんでした
NUMBER GIRLの後期モズライトのベンチャーズ・モデル(機材のまとめサイト、2019年のライブレポート)
ジャズベース好まないと紹介されている(Wikipedia)
アンプGallien-Krueger(ギャリエン・クルーガー)。NUMBER GIRLのころの機材のまとめと、ベース・マガジンの人物紹介の両方に名前がある。型番は資料ごとに違う
プリアンプNUMBER GIRLのころの機材として、SansAmp BASS DRIVER DIの名前が2つの資料に。2026年からは自分のシグネチャー「Scrolls」
ペダルボグナーの「HARLOW」の名前が2つの資料に。ほかは時期で変わっている
弦確かめられませんでした
シグネチャーモデルEarthQuaker Devices「Scrolls」ベースオデッセイ(2026年5月16日)
時期ごとの機材(資料で確かめたもの) NUMBER GIRLのころ(1995〜2002年) ベース何度か持ち替えた 後期はモズライトの ベンチャーズ・モデル アンプGallien-Krueger 歪みSansAmp BASS DRIVER DI 解散のあと〜いま ベースプレシジョンベース(型) 2019年の新宿LOFTでは 昔のモズライトも アンプGallien-Krueger 足元2026年からScrolls ※楽器とアンプの形は描いていません。型番は省いています ※機材のまとめサイト・雑誌・ライブレポートで確かめた分だけ

NUMBER GIRLのころから名前が出るのはGallien-KruegerのアンプとSansAmp BASS DRIVER DI。いまの中心はプレシジョンベースとScrollsです。

中尾憲太郎モデルのベースは?ベース本体のシグネチャーモデルは、今回の調べでは確かめられませんでした。

シグネチャーのプリアンプ「Scrolls」

「Scrolls(スクロールス)」ベースオデッセイは、アメリカのEarthQuaker Devicesが作る、ベース用のプリアンプです。日本ではヤマハミュージックジャパンが輸入して、2026年5月16日に発売しました。

構想は2017年に始まり、2024年に開発が本格的に動き出しました。中尾憲太郎の「マルチエフェクターにしたくない」という思いから、EQ(音の高さごとの量の調整)とOverdrive(歪み)の2つに絞って作られています。

Scrollsの中の音の流れ 入力ベースから DRIVE(歪み)真空管アンプのような歪みLevel・Blend・Drive・Bandwidth・Tone エフェクト・ループ歪みとEQのあいだに、ほかのペダルをはさめる EQ(音の高さごとの量)Treble・Middle・Bass・Vari-Freqボタン3つ:Deep・Process・Bright 標準の出力アンプへ XLR出力卓へ・バランス パラレル出力元の音を分ける ※ペダルの形は描いていません。つまみの名前は、メーカー・  販売店・ニュースの紹介から。本人の設定ではありません

歪みの部分は、真空管アンプのような歪みで、本人が持っている珍しいペダルがヒントになったと紹介されています。Blendは、元の音と歪んだ音を混ぜる量のつまみです。EQは20Hz〜10kHzの広い範囲で調整でき、Vari-Freqで効かせる音の高さを動かせます。3つのボタンは、Deep(80Hzの低音を足す)、Process(中域を削る)、Bright(5kHzの高音を足す)。

出力は、アンプへの標準の出力、卓(ミキサー)へのXLR出力、元の音を分けるパラレル出力の3つ。アンプと卓の両方に、自分の音を届けられる作りです。

EarthQuaker Devices「Scrolls」ベースオデッセイ(本人のシグネチャー)
中尾憲太郎の名前が付いた、ベース用のプリアンプ。本人の音に近づくなら、まずこれ。値段・在庫は販売店でご確認ください。

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プレシジョンベースってどんなベース?

プレシジョンベース(略して「プレベ」)は、フェンダーが1951年に出したエレキベースです。エレキベースの元祖とされます。中古でいちばん多く並ぶのは、プレシジョンベース型とジャズベース型。違いを図にしました。

プレシジョンとジャズ、ここが違う プレシジョン 中尾憲太郎のいまのベース ジャズベース 本人は好まないと紹介 ピックアップ1つ(真ん中で2つに分かれた形) ピックアップ2つ つまみ2つ(音量・音色) つまみ3つ(音量2つ・音色) ネック太めで、握りごたえ ネック付け根(ナット)が細め 音太く、バンドに溶ける低音 音輪郭がはっきりして、立ち上がりが強い ※楽器の形は描いていません。ネックの太さはモデルで違います

プレシジョンベースは、ピックアップが1つで、つまみも音量と音色の2つだけ。音を細かく変えられないぶん、迷わないベースです。ジャズベースは2つのピックアップを混ぜて、輪郭を変えられるのが持ち味。中尾憲太郎がジャズベースを「アタックが強すぎて」と好まないのは、この輪郭の強さのことだと読めます。

モズライトのベースとは

モズライトは、アメリカのギターメーカー。ベンチャーズ・モデルは、ザ・ベンチャーズの名前が付いたシリーズです。中古では数が少なく状態の差も大きいので、まずはプレシジョンベース型から始めるのが近道です。

プレシジョンベース型の選び方

いま当店に、プレシジョンベース型の在庫はありません。そのかわり、これから探す人のために、店主として見ておきたいところをまとめました。

見るところポイント
ピックアップ真ん中で2つに分かれた形が基本。ブリッジ側にもう1つ足した「PJ」は、プレシジョンとジャズを混ぜた別の形
ネックの太さモデルで太さが違う。手の小さい人は、細めのネックのプレシジョン型を探すとよい
重さ立って長く弾くなら大事。木の重さで、同じ形でもかなり違う
パッシブかアクティブかふつうのプレシジョン型は電池のいらない「パッシブ」。電池で動く「アクティブ」とは音の出方が違う

中尾憲太郎っぽさを目指すなら、まずはパッシブのプレシジョンベース型を1本。そこに歪みとEQのペダルを足せば、音の骨組みはできます。

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中古のプレシジョンベース型を買うときに見るところ7つ

店主として毎回確かめているところです。個人から買うときにも使えます。

① ネックの反りとトラスロッドの余裕

ネックがまっすぐに調整できるか。トラスロッド(ネックの中の金属の棒)が、締める・ゆるめるの両方に回るかを確かめます。当店では、7フレットのすき間と12フレットの弦高を在庫ページに書いています。

② 4本の弦の音量のそろい方

2つに分かれたピックアップは、片方が太い2本、もう片方が細い2本の弦を受け持ちます。4本を順に鳴らして、1本だけ音が小さくないかを確かめます。

③ つまみとジャックのガリ

2つのつまみを回し、シールドを挿したジャックを軽く動かして、「ガリッ」という雑音が出ないかを見ます。

④ フレットの減り

低いポジションのフレットは減りやすいところ。当店では、フレットの残りを%で書いています。

⑤ ブリッジと弦高

ブリッジのサドルにさびや固着がないか、弦高を下げられる余裕があるかを確かめます。

⑥ 改造のあと

ピックアップやつまみが替えられているベースもあります。元の部品か、配線が丁寧かを見ておきます。

⑦ 重さ・ケース・付属品

プレシジョンベース型は、木によって重さがかなり違います。当店では、すべての在庫の重さを実測して書いています。ケースなどの付属品も見ておきましょう。

いま揃える「中尾憲太郎っぽい音」

プレシジョンベース型+歪みとEQを土台にした一例です。本人のシグネチャーのScrolls以外は、どれも本人の機材ではなく、代わりに選んだ定番です。

ベースプレシジョンベース型→ 電池のいらないパッシブのもの 本人モデル歪みとEQを1台で→ EarthQuaker Devices Scrolls または(代わりに)太さと、少しの歪みを足す→ 例:SansAmp BASS DRIVER DI V2、BOSS BB-1X アンプスタジオやライブハウスのベースアンプ→ まずはベースを直接つないで鳴らす ※音作りの一例です。中尾憲太郎本人の配線ではありません  Scrolls以外は、本人の機材ではありません

いちばん大事なのは、まずベースをアンプに直接つないで鳴らすこと。太さが出ているかを確かめてから、歪みを少しずつ足していきます。歪ませすぎると、低い音がぼやけることがあります。

そろえる順番(費用の小さい順)

① ヘッドホンアンプで練習VOX amPlug3 Bass ② 歪みを足すプリアンプBOSS BB-1X ③ プリアンプ/DIの定番SansAmp BASS DRIVER DI V2 ④ 歪みとEQの別の定番Darkglass Electronics Alpha・Omega ⑤ 本人のシグネチャーEarthQuaker Devices Scrolls ※棒の長さは費用の大小の目安。値段はリンク先で確認を

ひとつずつ紹介

※商品の値段は日々変わるため、リンク先でご確認ください。

TECH21 SansAmp BASS DRIVER DI V2(ベース用プリアンプ)
NUMBER GIRLのころの機材として名前が挙がるSansAmp BASS DRIVER DIの、いまの版(V2)。本人がV2を使っているかは確かめられませんでした。DIとしても使えます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください

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BOSS BB-1X(プリアンプ/オーバードライブ)
本人の機材ではありません。手軽に始めたい人へ。低音を残したまま、うっすら歪みを足せます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください

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Darkglass Electronics Alpha・Omega(プリアンプ/歪み)
本人の機材ではありません。Scrollsと同じく、歪みと音の調整を1台にまとめたベース用のペダルです。
価格・在庫はリンク先でご確認ください

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家で練習するなら

NUMBER GIRLの曲をコピーするなら、まずはドラムと合わせることから。

  1. ルートを8分音符で
    コード(和音)のいちばん下の音「ルート」を、8分音符で弾き続けます。メトロノームは遅めから。音の長さと強さをそろえることだけ考えます。
  2. バスドラムと合わせる
    曲を流して、ドラムのバスドラム(足で踏む太鼓)が鳴るところで、ベースの音も一緒に鳴るように弾いてみます。ベースとドラムがそろうと、音が急に太く聞こえます。
  3. ギターに負けない音量を探す
    曲に合わせて弾き、ベースが聞こえなくなるところで、弾く強さとアンプの音量を見直します。
  4. 映像に合わせて弾く
    最初は「透明少女」のサビだけ、次は1曲通して、と少しずつ伸ばします。
VOX amPlug3 Bass(ヘッドホンアンプ)
ベースに直接挿して、ヘッドホンで聴く小さなアンプ。夜でも練習できます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください

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ZOOM B1X FOUR(ベース用マルチエフェクター)
アンプの音・歪みが1台に。リズムマシンも入っているので、ドラムに合わせてルートの8分を弾く練習ができます。
価格・在庫はリンク先でご確認ください

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バンドスコア・替えの弦
楽譜があると、ベースの動きが確かめられます。弦は、迷ったら45-105から。

NUMBER GIRLのスコア 弦 45-105

用語ミニ辞典

この記事に出てきた言葉を、ベースを始めたばかりの人向けにまとめました。

プレシジョンベース(プレベ)
フェンダーが1951年に出した、エレキベースの元祖とされる形。太い低音が持ち味。
ジャズベース(ジャズベ)
フェンダーのもう1つの定番のベース。ピックアップが2つで、輪郭のはっきりした音。
モズライト
アメリカのギターメーカー。ザ・ベンチャーズの名前が付いたモデルで知られる。
プリアンプ
ベースの音を整えたり、太くしたりしてから、アンプや卓へ送る機材。
オーバードライブ(歪み)
音をわざと割れさせて、荒さや迫力を足すこと。またはそのためのペダル。
EQ(イコライザー)
低い音・中くらいの音・高い音の量を、それぞれ上げ下げするしくみ。
XLR出力・DI
ライブハウスの卓(ミキサー)へ、雑音に強い形で音を送る出力と、そのための機材。
エフェクト・ループ
機材の途中に、ほかのペダルをはさめるようにした差し込み口。

NUMBER GIRLのメンバー

1995年の結成から2002年の解散まで、そして2019〜2022年の再結成も、この4人です。

向井秀徳ボーカル・ギター
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アヒト・イナザワドラム

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まとめ

中尾憲太郎は、1995年の結成から2002年の解散まで、そして2019〜2022年の再結成でもNUMBER GIRLでベースを弾いたベーシストです。解散のあいだもSPIRAL CHORDなどで弾き続け、2026年には自分の名前の付いたプリアンプ「Scrolls」を出しました。

本人と同じベースは分からなくても、パッシブのプレシジョンベース型と、歪みとEQのペダルがあれば、中尾憲太郎の音の骨組みはできます。まずはベースをアンプに直接つなぎ、「透明少女」に合わせて、ドラムとそろえてルートを弾くところから始めてみてください。

プレシジョンベース型のベースを探している方へ

いま当店にプレシジョンベース型はありませんが、ネック・弦高・オクターブを調整したベースを在庫一覧に並べています。在庫はその時々で変わります。

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弾かなくなったプレシジョンベース型、ありませんか?

当店は、プレシジョンベース型をはじめ、エレキベース・ギターを買い取っています。フレットが減っている、といった状態でもご相談ください。

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参考にした資料

よくある質問

中尾憲太郎が使っているベースは何ですか?

いまはプレシジョンベース(型)が中心です。フェンダーのサイトの対談にプレシジョン派として登場し、2019年のライブレポートでも「最近はもっぱらプレシジョンベース」と書かれています。メーカーや年式まで分かる公式の機材リストは見つかりませんでした。

NUMBER GIRLのころは、どんなベースを使っていましたか?

ベースを何度か持ち替えたと紹介されています。後期に使ったのは、モズライトのベンチャーズ・モデルです。2019年の新宿LOFTのライブにも、昔のモズライトを持ってきたと伝えられています。

ジャズベースは使わないのですか?

Wikipediaでは「アタックが強すぎて音にならない」という理由で、ジャズベースは好まないと紹介されています。フェンダーのサイトの対談でも、プレシジョンのほうがバンドの一体感を生みやすいと話しています。

中尾憲太郎モデルはありますか?

2026年5月16日に、EarthQuaker Devicesからベース用プリアンプ「Scrolls」ベースオデッセイがシグネチャーモデルとして出ています。ベース本体のシグネチャーモデルは、今回の調べでは確かめられませんでした。

Scrollsはどんなエフェクターですか?

本人の「マルチエフェクターにしたくない」という思いから、EQ(音の高さごとの量の調整)と歪みの2つに絞ったプリアンプです。真空管アンプのような歪み、3つのボタン、卓へ送るXLR出力などを備えています。

NUMBER GIRLの解散後はどんなバンドで活動していますか?

2004年1月に加わったSPIRAL CHORD、Crypt City、勃殺戒洞などで活動しています。ART-SCHOOLのサポートや、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSでもベースを弾きました。

NUMBER GIRLはいつからいつまで活動していましたか?

1995年8月に福岡で結成し、1999年5月に「透明少女」でメジャーデビュー。2002年11月30日の札幌のライブで解散しました。2019年に再結成し、2022年12月11日の『NUMBER GIRL 無常の日』でふたたび解散しています。

プレシジョンベース型は当店にありますか?

いまはありません。在庫一覧には整備したベースを並べています。プレシジョンベース型を売りたい方の買取は受け付けています。

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