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J(LUNA SEA)の使用ベースと音作り|EDWARDS E-J-78TV実機と公式映像で解説【J-TVB・J Precision Bass】

更新日:2026-10-03 文:SILVER WOLF GUITARS 森 将大

※この記事にはプロモーション(サウンドハウス・Amazonへの広告リンク)が含まれます。当店の在庫も紹介しています。

先に結論
  • Jのベースは、LUNA SEAの結成初期から2019年までESP。メインの「J-TVB」シリーズは、本家と普及版を合わせて「世界で最も売れたアーティストモデルベース」と言われています。2019年からはフェンダーと契約し、シグネチャーの「J Precision Bass」を使っています。
  • Jの音は、ピックで弾く「ゴリゴリの低音」。派手なソロより、シンプルで耳に残るフレーズ。そして「ROSIER」「TRUE BLUE」「STORM」など、LUNA SEAのヒット曲の多くはJが原曲を作っています。
  • 当店の在庫はEDWARDS(ESPのブランド)のJモデル、E-J-78TV。赤いボディにハムバッカー2基です。Jっぽい音の第一歩は、ピックとベース用プリアンプから。

LUNA SEAのベーシスト、J。

ステージの前に出てピックで弾きまくり、マイクスタンドを放り投げる。「ベースは目立たない楽器」というイメージを、ひっくり返してきた人です。それだけではありません。「ROSIER」「TRUE BLUE」「STORM」など、LUNA SEAの代表曲の多くは、Jが持ち込んだ原曲から生まれています。

この記事では、中古ギター店を営んでいる私が、店にあるJモデル(EDWARDS E-J-78TV)の実機を写真で見せながら、Jのベースと音作りを、公式映像と一緒にまとめました。

この記事で分かること
  • Jがどんなベーシストか(年表・エピソードつき)
  • ESPのJ-TVBから、フェンダーのJ Precision Bassまで
  • 公式映像で見るJのベースと、J原曲の名曲10選
  • 当店にあるE-J-78TVと、本人のベースとの違い
  • 中古のJモデルを買うときに見るところ7つ
  • Jっぽい音を、いま新品で揃えるなら
森
この記事を書いた人:森
中古エレキギター・ベースを整備して販売しているシルバーウルフの店主(古物商)。ネックや弦高を調整してから送り出しています。この記事を書いている今、Jモデルが1本、店にあります。

Jってどんな人?

名前J(ジェイ)/本名:小野瀬 潤
生まれ1970年8月12日/神奈川県秦野市出身
担当LUNA SEAではベース。ソロではボーカル・ベース・ギター
主なバンドLUNA SEA、ソロ。hideのバンド「zilch」にも参加
代表的なベースESP J-TVB(〜2019年)、Fender J Precision Bass(2019年〜)

中学でINORANと出会って音楽を始め、高校の軽音楽部でINORANと「LUNACY」を結成。1989年に今の5人がそろい、のちにバンド名を「LUNA SEA」に変えます。この名前を考えたのはJでした。

1992年にメジャーデビューし、1994年の「TRUE BLUE」でバンド初のオリコン1位。2000年の「終幕」のあと、2001年からはソロ活動を本格化させ、2010年にLUNA SEAが活動を再開してからは、バンドとソロの両方で走り続けています。2025年の55歳の誕生日には、自伝『MY WAY』を出しました。

J 年表 19708月12日に生まれる 中学INORANと出会い音楽を始める 高校軽音楽部でLUNACYを結成 1989今の5人がそろう 1990Jの案で「LUNA SEA」に改名 1992『IMAGE』でメジャーデビュー 1994J原曲「TRUE BLUE」で初の1位 1997「BURN OUT」でソロデビュー 1998J原曲「STORM」が72万枚 2000東京ドームでLUNA SEA「終幕」 2010LUNA SEAが活動を再開 2019ESPからフェンダーへ 2025自伝『MY WAY』を出す

人柄が分かるエピソード9つ

  1. 姉のベースをこっそり弾いていた
    5歳上でロック好きの姉がいて、姉が出かけている間に、姉のベースを見つからないように弾いていたのが始まり。高校で自分のベースを買うまでは、姉のベースを使っていたそうです。
  2. ベースを選んだのは「みんながギターをやりたがったから」
    ギターで最初に覚えたのは、マイケル・ジャクソン「Beat It」のリフ。でも周りはみんなギターをやりたがったので、ギターとベースの違いもよく分からないままベースに。ベースで最初に通して弾けたのは、セックス・ピストルズの曲だったそうです。
  3. INORANとの出会いはレコードの貸し借り
    自伝によると、中学でINORANにハワード・ジョーンズのアルバムを借りたのがきっかけ。2人はわざわざ軽音楽部のある高校を選びましたが、入ってみたら先輩より自分たちのほうが上手くて、がっかりしたそうです。
  4. 「J」という呼び名
    本名の「潤」から。同じバンドに「純」という名前の仲間がもう一人いたので、区別するために「J」と呼ばれるようになりました。
  5. 10代で先輩バンドのローディー
    10代のころ、先輩バンドAIONのローディー(機材係)をしていました。会場のおさえ方や機材の運び込み、チケットの売り方を学んだ「もう一つの学校」だったと振り返っています。この縁がきっかけで、LUNA SEAは関西で初めてのライブをすることになります。
  6. バンド名「LUNA SEA」はJの案
    インディーズのころの名前は「狂気」を意味する「LUNACY」。メジャーを見すえて、「月のように変化があって、海のように深く」という思いを込めて「LUNA SEA」に変えました。これを提案したのがJです。アルバム名『STYLE』を考えたのもJでした。
  7. hideを兄のように慕った
    X JAPANのhideとはおそろいのタトゥーを入れ、実の兄のように慕っていました。hideのバンド「zilch」にも参加しています。
  8. ステージが倒れても「楽器さえあれば」
    1999年、東京ビッグサイトでの10周年ライブ「NEVER SOLD OUT」。3日前の突風でステージのセットが倒れ、メンバーの意見も割れましたが、Jは強く決行を求めました。そのときの言葉が「俺たちはステージと楽器さえあればパーフェクトでいれる」。ライブは予定どおり開かれ、10万人が集まりました。
  9. サッカー少年で、今も浦和レッズのファン
    中学ではサッカー部。今も浦和レッズのファンです。J原曲の「TONIGHT」は、サッカー欧州選手権(EURO2000)の中継のイメージソングになりました。

公式映像で見るJのベース

まずはJ原曲の「ROSIER」。このMVでJが弾いているのは、バイオリンのような形のESP「J-VB」で、ベース好きの間で話題になりました。MVは1994年の日本レコード大賞で最優秀プロモーションビデオ賞を受けています。

LUNA SEA「ROSIER」MV(LUNA SEA 公式)

バンド初のオリコン1位になった「TRUE BLUE」。これもJ原曲で、タイアップなしで1位をとりました。

LUNA SEA「TRUE BLUE」MV(LUNA SEA 公式)

約1年の休止明け、最初のシングル「STORM」。72万枚を売り上げ、LUNA SEAのシングルで一番売れた曲です。

LUNA SEA「STORM」MV(LUNA SEA 公式)

「IN MY DREAM (WITH SHIVER)」。トラックダウン(仕上げの音のまとめ)の直前に、Jがベースラインを変えたくて弾き直した曲です。

LUNA SEA「IN MY DREAM (WITH SHIVER)」MV(LUNA SEA 公式)

「G.」は、Jが「スピード感に溢れたグルーヴをやっと出せる様になった」と話した曲。ピック弾きのドライブ感がよく分かります。

LUNA SEA「G.」MV(LUNA SEA 公式)

そして1997年のソロデビュー曲「BURN OUT」。ソロでは自分で歌い、ベースもギターも弾きます。

J「BURN OUT」Music Video(J 公式)

ほかの公式映像:TONIGHT/SHINE/The End of the Dream/Limit

J原曲の名曲10選

LUNA SEAの曲は、メンバーの1人が「原曲」を持ち込み、5人でジャム・セッションをしながら仕上げていきます。シングルの表題曲には、SUGIZOとJの原曲が多く選ばれてきました。ここではJが原曲を作った曲から10曲を選びました。

1TIME IS DEAD
LUNA SEA/1991年『LUNA SEA』/作曲:J

Jが生まれて初めて作った曲がもとになった、LUNA SEAとして初めてのオリジナル曲。今もライブの定番です。

2WISH
LUNA SEA/1992年『IMAGE』/作曲:J

「皆が歌えるよう一曲まるごとサビみたいな曲が作りたかった」というJの曲。ライブの締めの定番で、2000年の終幕ライブの最後の曲もこれでした。

3IN MY DREAM (WITH SHIVER)
LUNA SEA/1993年7月/J原曲/オリコン9位

仕上げ直前にベースを弾き直した曲。カップリングの「SLAVE」もJ原曲で、のちにファンクラブの名前にもなりました。

4ROSIER
LUNA SEA/1994年7月/J原曲/オリコン3位

間奏の英語の詞は、スランプだったそれまでの自分に向けてJが書いたもの。ライブではJがベースを弾きながら英詞を読み、マイクスタンドを後ろへ投げるのが名場面です。2025年11月からは、地元・小田急の秦野駅の接近メロディになっています。

5TRUE BLUE
LUNA SEA/1994年9月/J原曲/オリコン1位

バンド初の1位。SUGIZOは「今までの俺等とファンの子たちが正しかったことの証明」と表現しました。カップリングの「FALLOUT」もJ原曲です。

6G.
LUNA SEA/1996年『STYLE』/J原曲

スピード感のあるグルーヴの曲。1999年には、ル・マン24時間レースのテレビ中継のテーマ曲にも使われました。

7FOREVER & EVER
LUNA SEA/1996年『STYLE』/J原曲・作詞:J

10分を超えるバラードで、途中にJの英語の語りが入ります。LUNA SEAで初めて生のストリングスを使った曲。Jいわく「私の人生始まって以来の優しい曲」。

8STORM
LUNA SEA/1998年4月/J原曲/オリコン1位

休止明けの最初のシングルで、LUNA SEAのシングルで一番の72万枚。

9SHINE
LUNA SEA/1998年6月/J原曲/オリコン1位

明るい曲調だったため、ボーカルの河村隆一の留守番電話に「まるっきり河村隆一の曲じゃないか!」といういたずら電話が入ったという曲。でも作ったのはJです。

10TONIGHT
LUNA SEA/2000年5月/J原曲/オリコン4位

約3分で、LUNA SEAのシングルで一番短い曲。PVの原案もJで、出演者は「10代のJ」という設定です。Jの言葉は「この曲聴いて何も感じなかったらそれでいいや」。

ほかにも、2026年5月のシングル「FOREVER」(オリコン4位)もJ原曲です。

LUNA SEAのCDをAmazonで見る 自伝『MY WAY』

ソロのJ:歌って、ベースもギターも弾く

LUNA SEAが1年間活動を休んだ1997年、Jはソロデビューします。シングル「BURN OUT」はオリコン6位、1作目のアルバム『PYROMANIA』は9位。アルバムはロサンゼルスで録音し、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ、ザ・カルトのビリー・ダフィー、そしてLUNA SEAの真矢がゲストで参加しました。

2000年の終幕のあと、2001年からソロを本格化。バンドのメンバー選びにもJらしさが出ています。ザ・カルトの大ファンだったので、ドラムにはザ・カルトのスコット・ギャレットを。重いリフを弾けるギタリストと組みたくて、DOOMの藤田タカシを迎えました。

2003年1月4日には、ソロで初めての日本武道館。英語版Wikipediaによると、武道館の歴史で初めての、全席スタンディングのライブでした。ライブハウスのSHIBUYA-AXには一番多く出演したアーティストで、2014年に会場が閉まるときには、スタッフに頼まれて最後のライブを開いています。2020年には西川貴教と組んだ「REAL×EYEZ」が、仮面ライダーゼロワンの主題歌になりました。

ロックの入り口:Jをロックに引き込んだのは、セックス・ピストルズとU2。ベースで最初に通して弾けたのもセックス・ピストルズの曲でした。ピックでまっすぐ弾くJの音のルーツが、ここにあります。

Jのベースの特徴3つ

① ピックで弾く「ゴリゴリの低音」

Jは基本的にピックで弾きます。派手なプレイではないけれど、シンプルで耳に残る「ゴリゴリの低音」が持ち味。ピックで弾くと、音の立ち上がりがはっきりして、歪んだギターの中でもベースが埋もれません。一方で「MOTHER」「I for You」「BREATHE」「Crazy About You」など、ゆったりした曲では指で弾いています。以前は指弾きが嫌いだったものの、2018年には、ミディアムやスローの曲では指で欲しい音が出せるようになった、と話しています。

② 誰でも弾けるフレーズを、誰よりもカッコよく

目立つためだけのソロや、ベースばかり大きい音楽には興味がない、というのがJの考え方です。ほかのベーシストのまねはせず、ベースライン、立ち姿、見た目まで「自分のスタイル」を必死に探してきました。バンドの主役はボーカルかギター、というイメージを変えたかったそうです。

③ 曲を作るベーシスト

名曲10選のとおり、LUNA SEAのヒット曲の多くはJの原曲です。おもしろいのは、作曲のときにベースは最後に考える、ということ。曲全体のカッコよさが先にあって、ベースはそのあと。だからこそ、フレーズが曲の邪魔をせず、まっすぐ届きます。

評価:ベース・マガジン2025年1月号の「偉大なベーシスト100人」(プロのベーシストの投票)で10位。SIAM SHADEのNATCHIN、the GazettEのReitaなど、Jに影響を受けたベーシストもたくさんいます。LUNA SEAのリズム隊は、日本のロックに「リズム革命」を起こしたとも書かれています。

J-TVBと、Jのベース・機材

ベース・機材ポイント
ESP J-TVB(メイン)結成初期から使ったシグネチャー。I〜Vまで代があり、初期のIはミディアムスケール、IIからロングスケール。J-TVB-IVでピックアップをハムバッカー1基に変えた
ESP J-VBバイオリンのような形。「ROSIER」のMVで話題に
ESP J-RJB左利き用ジャズベースの形をまねたモデル(BLADE、PYRO BABYなど)
ESP J-MF-ILUNA SEA後期から終幕後に使ったモデル
Fender J Precision Bass2019年5月にフェンダーと契約。2020年にシグネチャー(Black Gold)、2022年に日本製のChampagne Goldも発売。逆向きのヘッドが目印
Ampeg Micro-VR J model2021年、日本人で初めてのAmpegのシグネチャーアンプ。長年使うSVT-810Eがもとで、赤いボディにマリアの絵
レコーディングヴィンテージのフェンダー・ジャズベース、サドウスキー、スペクターなど、いろいろなベースを使い分け

ESPとの付き合いは約28年。Jのベースはどれも、ボディの裏の太ももが当たるところを削った「バックカット」が入っています。アンプのスピーカーの網に描いたマリアの絵は、アメ車好きのJらしく、ローライダー(車の改造文化)でよく見る絵柄から来ているそうです。

Jのメインベースの移り変わり ESP 結成初期〜2019年 J-TVB(I〜V) J-VB・J-RJB・J-MF-I EDWARDSなどの 普及版も Fender 2019年〜 J Precision Bass 逆向きのヘッド Black Gold(2020) Champagne Gold(2022) ※アンプは長年Ampeg。2021年にシグネチャーも
普及版のJモデル:J-TVBシリーズは、本家と普及版を合わせて「世界で最も売れたアーティストモデルベース」と言われています。ESPのブランドであるEDWARDSやGrassRootsからも、手ごろな価格のJモデルが作られました。当店の在庫も、そのEDWARDSのJモデルです。

当店のE-J-78TVを写真でじっくり

ここからは、いま当店にある実機です。写真はすべて当店で撮影したものです。

EDWARDS E-J-78TV LUNA SEA Jモデルのボディ正面
E-J-78TV。赤いボディにハムバッカー2基(当店撮影)

EDWARDSのE-J-78TV。Jのシグネチャーモデルをもとにした、LUNA SEAのJモデルです。左右の角がぴんと立った形に、黒いハムバッカーが2つ。ヘッドの裏には「PRODUCED BY ESP」の文字が入っています。当時の定価は78,000円(税別)でした。

項目当店のE-J-78TV本人のJ-TVB
ブランドEDWARDS(ESPのブランド)ESP
ピックアップハムバッカー×2J-TVB-IVではハムバッカー1基に変更
ネック・指板メイプル・ローズウッド代によってボルトオン/スルーネック
コントロールノブ3つ—
弦45-105—
重さ(実測)4.390kg—
定価78,000円(税別)—

※本人機と市販モデルは、ピックアップの数など中身が違います。在庫ページでは、当店の個体の仕様を写真と一緒に書いています。

ハムバッカー×2 ノブ3つ ブリッジ

E-J-78TVのピックアップとコントロール(当店撮影)

E-J-78TVのヘッドとEDWARDSロゴ
赤いヘッドにEDWARDSのロゴ
ヘッド裏のPRODUCED BY ESPの文字
ヘッド裏に「PRODUCED BY ESP」
E-J-78TVの全体
全体。実測4.390kg
E-J-78TVの裏側全体
裏側も赤
E-J-78TVを斜めから見たところ
斜めから。出力ジャックはボディの横
ネック側のハムバッカー
ネック側のハムバッカー
ブリッジ側のハムバッカー
ブリッジ側のハムバッカー

EDWARDS E-J-78TV(当店のYouTube)

E-J-78TVの在庫ページを見る

※中古品で、年式なりの傷や使用感があります。傷の場所は在庫ページの写真と説明にすべて書いています。当店でネック・弦高・オクターブ・ピックアップの高さを調整済みです。

Jモデルの選び方(ESP・EDWARDS・GrassRoots・Fender)

「Jのベースがほしい」と思ったとき、選び方は大きく4つあります。店主として、それぞれの向き・不向きをまとめました。

選び方こんな人に気をつけること
ESPのJモデル(中古)本人と同じブランドにこだわりたい人限定品は数が少なく、値段も高め。仕様は代によって違う
EDWARDSのJモデル(中古)形とイメージを手ごろな値段で手に入れたい人ピックアップの数など、中身は本人機と違うことが多い
GrassRootsのJモデル(中古)まず形から入りたい、はじめての1本パーツの錆や電装の状態を、写真でよく見る
Fender J Precision Bass(新品)今のJと同じベースがほしい人新品なので値段は高め。逆向きのヘッドに慣れが要る

EDWARDSのJモデルのいいところは、見た目のインパクトと、弾きやすさのバランスです。左右に角が立った形は、ステージで遠くから見てもすぐ「Jのベース」と分かります。ネックはボルトオンなので、もし将来ネックの調整が必要になっても、手を入れやすい作りです。

当店のE-J-78TVは、ハムバッカーを2つ積んでいるので、ネック側だけ・ブリッジ側だけ・両方と、音の太さを切り替えて使えます。本人のJ-TVB-IVのようにハムバッカー1基の音に近づけたいなら、片方のピックアップだけを鳴らしてみるのも一つの手です。

E-J-78TVの横から見たところ
横から。ボディの厚みとネックの角度
ボディ裏のコントロールのふた
ボディ裏。黒い細長いふたの中に配線
ハムバッカー2基とノブの並び
ハムバッカー2基とノブ3つ。シンプルな並び
ピックで弾く人へ:Jのようにピックで強く弾くと、ブリッジ側のピックアップの近くを弾くか、ネック側の近くを弾くかで、音が大きく変わります。ブリッジ寄りは硬くて芯のある音、ネック寄りは太くて丸い音。まずは両方を弾き比べて、自分の「ゴリゴリ」を探してみてください。

中古のJモデルを買うときに見るところ7つ

ESP・EDWARDS・GrassRootsのJモデルは、年代も仕様もさまざまです。店主として毎回確かめているところをまとめました。

① ヘッドのロゴまわり

ヘッドの表は、ロゴのまわりにシミや変色が出ることがあります。当店のE-J-78TVにも、ロゴ付近に白いシミのような変色があります。

② ペグのメッキ

黒いペグは、つまみのメッキがはがれやすい部品です。チューニングがスムーズにできるかと一緒に見ておきましょう。

ヘッド裏と黒いペグ
ヘッド裏と黒いペグ。つまみにメッキのはがれがあります
③ ブリッジのネジの錆

ブリッジは汗がたまりやすく、ネジが錆びやすいところ。弦高やオクターブを調整するネジが回るかどうかが大事です。

ブリッジのくすみとネジの錆
当店のE-J-78TVのブリッジ。くすみ・汚れと、ネジに錆があります
④ ボディ裏の擦り傷

ピックで弾きまくるJモデルは、ベルトのバックルやスタンドで、ボディの裏に擦り傷がつきやすいベースです。赤い塗装は傷が目立ちやすいので、写真でよく見ておきましょう。

ボディ裏の右下の擦り傷
ボディ裏の右下。擦り傷があります
⑤ 重さ

当店のE-J-78TVは実測4.390kg。ベースとしてふつうの重さですが、立って長く弾くなら、幅の広いストラップがおすすめです。当店では、すべての在庫の重さを実測して書いています。

⑥ ネックとフレット

当店では、12フレットの弦高(4弦2.5mm・1弦2.0mm)、フレットの残り(%)、トラスロッドが締める・ゆるめる両方向に回るかを確かめて書いています。このE-J-78TVのフレットは80〜90%残っていて、トラスロッドは±60°まで動作を確認済みです。

ローズウッド指板とフレット
ローズウッド指板。フレットは80〜90%
⑦ ノブとガリ

古いベースは、ノブを回したときに「ガリッ」と雑音が出ることがあります。音出しの確認と、ノブのぐらつきを確かめましょう。当店のE-J-78TVは音出し確認済みです。

E-J-78TVの3つのノブ
3つのノブ

当店の在庫ページでは、傷の場所・実測の重さ・ネックの数字を、写真と説明で確認できるようにしています。

いま揃える「Jっぽい音」

Jの音は、ピックで弾く芯のある低音に、Ampegのアンプ。いちばん大事なのはピックで弾くことです。手持ちのベースでも、ピックとプリアンプでぐっと近づきます。

ベース+ピックピックでしっかり弾く→ 例:Fender 346 Shape Heavy プリアンプ/DI「ゴリゴリ」の歪みと太さ→ 例:SansAmp BASS DRIVER DI アンプJが長年使うAmpeg→ 例:Ampeg Micro-VR 弾き方シンプルなフレーズを→ 8分音符をそろえて、 ドラムにぴったり合わせる ※音作りの一例です。J本人の配線そのものではありません

そろえる順番(費用の小さい順)

① まずピックFender 346 Shape Heavy(1枚) ② プリアンプSansAmp BASS DRIVER DI V2 ③ AmpegのアンプヘッドAmpeg Micro-VR(ヘッド) ※棒の長さは費用の大小の目安。値段はリンク先で確認を

※商品の値段は日々変わるため、リンク先のサウンドハウスでご確認ください。

TECH21 SansAmp BASS DRIVER DI V2(ベース用プリアンプ)
ピックで弾いたときの「ゴリゴリ」した歪みと太さを足せる定番。アンプにつなぐ前にも、ライブハウスの卓に直接送るDIとしても使えます。

サウンドハウスで見る

AMPEG MICRO-VR HEAD(ベースアンプヘッド)
Jのシグネチャーアンプ「Micro-VR Limited Edition J model」のもとになった小型ヘッド。Ampegらしい太い低音を、家やスタジオで。

サウンドハウスで見る

FENDER J Precision Bass Black Gold(シグネチャー)
2019年からJが弾いているフェンダーのシグネチャー。逆向きのヘッド、使い込んだような加工、バイク用ヘルメットがモデルの「Black Gold」。本人と同じ形がほしい人に。

サウンドハウスで見る

FENDER 346 Shape Shell Heavy(ピック)
Jの音はピック弾きが基本。厚めのピックで弾くと、音の芯がはっきりします。1枚から買えるので、形や厚さを試しやすいです。

サウンドハウスで見る

家で練習するなら

Jのベースは、音符だけ見ると難しくない曲が多いのに、弾いてみると「あの感じ」が出ない。理由は、ピックの当て方とリズムのそろえ方です。店主としておすすめする練習は、次の3つです。

  1. 8分音符をダウンピッキングだけで
    メトロノームを遅めにして、同じ音を8分音符でずっと弾きます。全部ダウン(上から下)で、音の大きさと長さをそろえるのが目標です。
  2. ドラムに合わせる
    リズムマシンやドラムの音源に合わせて、バスドラムと同時にピックが当たるように。LUNA SEAのリズム隊の「ノリ」は、ここから生まれます。
  3. ブリッジ寄り・ネック寄りを弾き分ける
    同じフレーズを、弾く位置を変えて弾いてみます。硬い音と太い音を、曲に合わせて選べるようになります。
VOX amPlug3 Bass(ヘッドホンアンプ)
ベースに直接挿して、ヘッドホンで聴く小さなアンプ。夜でも「ROSIER」のベースラインを練習できます。

サウンドハウスで見る

ZOOM B1X FOUR(ベース用マルチエフェクター)
アンプの音・歪み・コンプが1台に。リズムマシンも入っているので、ドラムに合わせてピック弾きの練習ができます。

サウンドハウスで見る

バンドスコア・替えの弦
LUNA SEAのベースはシンプルでも、ノリをそろえるのが難しい曲ばかり。楽譜でリズムを確かめながら練習すると近道です。弦は当店の在庫と同じ45-105がおすすめ。

LUNA SEAのスコア 弦 45-105

用語ミニ辞典

原曲
メンバーが持ち込む曲のもと。LUNA SEAは原曲を5人で仕上げる。
ピック弾き
ピックで弦をはじく弾き方。音の立ち上がりがはっきりする。
指弾き
指で弦をはじく弾き方。やわらかく太い音になる。
ハムバッカー
コイルを2つ並べたピックアップ。ノイズに強く、太い音。
ミディアムスケール
ふつう(ロングスケール)より弦の長さが短いベース。手の小さい人でも弾きやすい。
スルーネック
ネックがボディの端まで1本でつながった作り。
バックカット
ボディの裏の、体に当たるところを削った加工。
プリアンプ/DI
ベースの音を整えて、アンプやミキサーに送る機械。
ローディー
バンドの機材を運んだり準備したりする係。
トラスロッド
ネックの中に入っている、反りを直すための金属の棒。

15人を一覧で比べる:アーティストモデル早見表(本人の機材と当店の在庫)

ほかの記事:Toshiya(DIR EN GREY)/SUGIZO(LUNA SEA・X JAPAN)/hide(X JAPAN)/HEATH(X JAPAN)/TAIJI(X)/PATA(X JAPAN)/KAZUMA(SIAM SHADE)/ka-yu(Janne Da Arc)/tetsuya(L'Arc〜en〜Ciel)/ken(L'Arc〜en〜Ciel)/松本孝弘(B'z)/布袋寅泰(BOØWY)/GISHO(PENICILLIN)/KIYOSHI(hide with Spread Beaver)

LUNA SEAのメンバーとJ

メンバー担当Jとの関係
RYUICHI(河村隆一)ボーカル「WISH」の作詞はRYUICHIとJの共作
SUGIZOギター・バイオリンシングルの表題曲は、SUGIZOとJの原曲が多い
INORANギター中学からの仲間。高校でLUNACYを結成
Jベースバンド名「LUNA SEA」を考えた
真矢ドラムJとリズム隊を組んだ。2026年2月17日に亡くなりました

LUNA SEAにはリーダーがいません。Jはその理由を「全員が局面局面でイニシアチブを取れるから、責任を押し付けるようなリーダーはいらない」と話しています。「他のバンドさんの前に、5人がライバルだ」という言葉もあります。5人が原曲を持ち寄り、ぶつかり合いながら1つの曲にしていく。その中で、Jのベースはいつも、まっすぐ前に出てきました。

まとめ

Jは、姉のベースをこっそり弾くところから始めて、「ベースは目立たない」というイメージを変えてきたベーシストです。ピックで弾くゴリゴリの低音と、「ROSIER」「TRUE BLUE」「STORM」のような、まっすぐ届く曲。その両方がJの魅力です。

本家のESPのJモデルも、普及版のEDWARDSやGrassRootsのJモデルも、これから手に入れるなら中古が中心。まずはピック1枚と、ベース用のプリアンプから、Jの音に近づいてみてください。

Jモデルを探している方へ

当店では、ネック・弦高・オクターブを調整してからお送りしています。在庫はその時々で変わります。

E-J-78TVを見る

弾かなくなったJモデル、ありませんか?

当店はJモデルをはじめ、エレキベース・ギターを買い取っています。塗装に傷がある、パーツが錆びている、といった状態でもご相談ください。

買取について見る

参考にした資料

よくある質問

Jが使っているベースは何ですか?

LUNA SEAの結成初期から2019年まではESPで、メインはシグネチャーのJ-TVBシリーズです。2019年5月からはフェンダーと契約し、シグネチャーのJ Precision Bassを使っています。

J-TVBはどんなベースですか?

Jのシグネチャーで、I〜Vまで代があります。初期のIはミディアムスケール、IIからロングスケールで、J-TVB-IVではピックアップをハムバッカー1基に変えました。本家と普及版を合わせて「世界で最も売れたアーティストモデルベース」と言われています。

EDWARDSのJモデルは本人のベースと同じですか?

EDWARDSはESPのブランドで、手ごろな価格のJモデルを作っていました。形は同じ系統ですが、ピックアップの数など中身は本人機と違います。

Jはピック弾きですか?

基本はピック弾きです。MOTHER、I for You、BREATHE、Crazy About Youなど、ゆったりした曲では指で弾いています。

Jっぽい音を出すには何を買えばいいですか?

まず厚めのピックで弾くこと。そのうえで、ゴリゴリした太さを足すベース用プリアンプ(SansAmp BASS DRIVER DIなど)と、Jが長年使うAmpegのアンプがおすすめです。

LUNA SEAでJが作った曲は?

ROSIER、TRUE BLUE、STORM、SHINE、TONIGHT、IN MY DREAM (WITH SHIVER)、G.、WISH、TIME IS DEADなどがJの原曲です。

Jのシグネチャーアンプはありますか?

2021年、日本人で初めてAmpegのシグネチャーアンプ「Micro-VR Limited Edition J model」が出ました。長年使っているSVT-810Eがもとで、赤いボディにマリアの絵が入っています。

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